
歯科インプラントとは天然歯根(ご自分の歯)の代用になる人工歯根のことです。チタン製の金属でできたインプラントという歯根を外科的手術により顎(あご)の骨に埋め込みます。埋め込まれたインプラントは、平均6〜24週間の治癒期間を経て骨にしっかりと結合します。こうして出来上がったインプラント(土台)の上に人工の冠(歯)を取り付けます。入れ歯やブリッジによる治療とは、まったく違ったもので、第2の永久歯と呼ばれるほど、噛む力を回復できます。
195X年、北欧の国、スウェーデンの歴史と権威ある大学、イエテボリ大学のブローネマルク教授が研究室で、その後の歯科治療に大きな革命をおこす、幸運な発見をしました。 動物の骨髄を顕微鏡で観察していたところ、その骨が純チタンという金属と、くっついていた事に気づいたのです。他の金属ではあり得なかったことでした。「チタン金属と骨は癒着(くっつく)する」という事実がこの時、発見されたのです。 さらに、他の実験の中から軟組織(歯ぐき等)にも反応がよく、生体への拒絶反応がないということも解ってきました。
その後、同教授は10年間以上にわたって、基礎実験と動物実験を重ね、チタンという金属が一定の条件で骨に埋入された場合、骨の拒否反応は全くといってよいほどなく、チタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを確認しました。そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用がスタートされたのです。
同教授らは、その後15年間に渡って、3000本近くの臨床研究を重ね、その結果を1981年にトロントで開かれた学会で、世界に向けて学術発表しました。研究結果の成功率の高さが評価され、つまりしっかりとした科学的裏づけをもとに、世界にインプラントが広まっていったのです。では、どうして人間の体にとって異物である、金属のインプラント(人工歯根)が体に受け入れられ、自分の歯とおなじような感覚で使えるようになるのでしょうか? それはインプラントが、ただ単に骨に植えられているのではなく、チタンの膜を覆っている酸素分子を通して、天然歯根と同じく顎(あご)の骨と強く結合し、まるで生きた骨として存在し、安定した状態になるからです。
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